低温殺菌牛乳
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概要
低温殺菌牛乳(LTLT pasteurized milk)は生乳を63℃で30分加熱することで殺菌する低温保持殺菌(Low Temperature Long Time / LTLT法)で殺菌した牛乳のことです。この方法では、72℃で15秒間加熱したり、63℃で30分間加熱したりすることで、有害な病原菌を殺菌し、食品の腐敗を防ぎます。
生乳本来の風味を損ねにくく、より自然な甘みやコクを楽しめます。また、高温殺菌に比べて、たんぱく質の変性が少なく、サラッとした口触りになる傾向があります。ただし、賞味期限が短く、価格も高めになる傾向がある上に買える所が少ないのが残念な点です。
・同義/別表記:LTLT法/低温保持殺菌(対比:HTST=72℃・15秒、UHT=超高温短時間)
関連規格/典拠
乳等省令・各国のパスチャライズ基準
特徴
生乳由来の甘み・コクが残りやすく、さらっとした口当たりになります。紅茶では渋みを包み込みつつ、香りを邪魔しにくいです。
他方式との対比
UHT
120–150℃×1–3秒。国内の主流。加熱感が出やすく無菌充填をすれば常温で6か月保存可能です。
濃い抽出のミルクティーとも相性良いです。こういえば聞こえが良いですが、濃い抽出の紅茶でなければ本来の牛乳にはない硫化イオウによる臭さとネバネバ感がごまかせないというのが実のところです。
HTST
72–75℃×約15秒。採用銘柄は少数です。日常使いでもバランス良いですが、やはり熱変性が若干起こります。
LTLT
63℃×30分。風味の生乳感が残りやすくおいしいですが流通・賞味面でニッチになっています。
🫖紅茶文脈での使い方(英語短文)
英文: LTLT milk keeps a fresher dairy note and pairs beautifully with delicate Assam or Darjeeling.
和訳: LTLT牛乳はミルクの鮮やかな香りが残り、繊細なアッサム/ダージリンと好相性です。
英文: In Japan, UHT milk is the norm; HTST is rarer and LTLT is niche.
和訳: 日本ではUHTが標準で、HTSTは少数派/LTLTはニッチです。
英文: In the UK, pasteurised (non-UHT) milk is overwhelmingly the norm for everyday use; UHT is only a small niche.
和訳: イギリスでは日常用の牛乳は低温(非UHT)殺菌が圧倒的に一般的で、UHTは少数派です。
🔗リンク
超高温瞬間殺菌法(UHT法)
英国王立化学会による『完璧な一杯の紅茶の淹れ方』(1)
英国王立化学会による『完璧な一杯の紅茶の淹れ方』(2)