赤ダニです。ハダニの一種です。
ハダニについてはハダニを参照してください。

contents
概要
Red Spider Mite(レッドスパイダーマイト)は、ハダニ類の総称的な英語名称であり、特に赤色を呈するハダニのうち、農業害虫として知られる種(例:ナミハダニ、カンザワハダニ)を含みます。体長は0.4〜0.5 mm程度で、葉裏に群棲して吸汁します。紅茶・緑茶の茶樹を含む多くの作物に対して被害を与えます。
主な対象種
・ナミハダニ(Tetranychus urticae)
・ カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)
※ 英語圏では両者を区別せず “Red Spider Mite” と総称する場合が多いです。
生態と分布
乾燥した気候を好み、特にハウス内や日当たりの良い露地栽培に多く発生します。温暖地から寒冷地まで広く分布し、日本を含め世界中の農業生産地で確認されています。世代交代が早く、温暖期には1〜2週間で1世代を繰り返します。
被害と影響
葉裏に寄生して細胞内容物を吸汁することで、葉が斑点状に退色し、褐変・落葉を引き起こします。光合成能力の低下とともに、茶葉の品質や収量に大きな影響を及ぼします。重度の寄生では葉の表面にクモの糸状の網を張ることもあり、作物全体の美観を損ないます。
防除
薬剤耐性がつきやすく、同一薬剤の連用は避ける必要があります。天敵利用(カブリダニ類)や、ハウス内湿度管理、剪定による物理的除去と組み合わせたIPMが推奨されます。
用語としての注意点
“Red Spider Mite” は複数種を含む総称で、具体的な同定が求められる場面では学名や形態的特徴に基づいた識別が重要となります。日本では地域によりナミハダニかカンザワハダニのいずれかが主に該当する場合があります。スリランカなどではナミハダニをさしていることが多いようです。