サモワール

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概要

ロシアを中心に使われてきた金属製の伝統的な湯沸かし器/給茶器です。古典的には中空の炉筒(炭火)+外槽の湯、現代は電熱式が一般的です。

18世紀の純銀製のサモワール
18世紀の純銀製のサモワール(Wikimedia/パブリックドメイン)

📚 説明・背景

  • イギリスに先だって紅茶文化を発達させていたロシアで、給茶器として発達したと見られ、語源はロシア語 самоварsam[サミ]=自ら+varit’[ワリーチ]=沸かす)にちなむとされています。。濃い茶(заварка/ザヴァールカ)を別ポットで抽出し、サモワールの湯で割って供するのが伝統。
  • 容量・材質は多様(真鍮・銅・ニッケルなど)です。家庭用から据置まで幅広いです。
  • 片手で持てるサイズから据付設備レベルまで幅広い大きさの金属製容器です。今は当たり前ですが電熱式が普通のようです。

🧪 関連属性・補足情報

  • 直火型は換気・耐熱の安全確保が前提です。
  • 蛇口からの出湯は細く一定で、割り湯に向くように作られています。
  • 文化的には客人・家族の団らんの中心となる道具です。

🫖 紅茶文脈での使い方(英和例文)

英文: Brew a strong concentrate in a small pot and dilute it with hot water from the samovar.

和訳: 小さなポットで濃く淹れ、サモワールの湯で割るのが作法です。

英文: Modern samovars are mostly electric and used as water heaters.

和訳: 現代のサモワールは電熱式が主流で、給湯器として用いられます。


🚫 注意・比較

  • 誤解されることが多いですが、サモワールは茶葉を直接煮ません(濃縮は別ポット)。
  • 電気ポットとの違いは文化的機能(場の中心)と連続給湯の2点です。

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🧸 くまの一言

サモワールを初めて見たとき「お湯の灯台だ!」と思いました。湯を絶やさない器具が、冬の厳しいロシアでおしゃべりの火まで絶やさないように感じたからです。