ハダニの一種です。
ハダニについてはハダニを参照してください。

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概要
Tea Yellow Mite(学名:Polyphagotarsonemus latus)は、タバコハダニ科に属する微小な植物寄生性ダニで、茶を含む多くの植物に被害を及ぼす重要害虫です。体長は約0.1〜0.2 mmと非常に小さく、肉眼では確認が困難です。英名である “yellow mite” は、感染植物の葉が黄変・硬化・しわ状になる典型的な被害症状に由来します。
生態と分布
Tea Yellow Miteは熱帯・亜熱帯を中心に広く分布していて、日本では特に沖縄・九州南部・温暖地の茶園などで発生が報告されています。スリランカには多い種類です。高温多湿条件で急速に増殖し、年に多数世代を重ねます。発生初期は発見が難しく、被害が進行してから気づかれることが多いです。
被害と影響
主に茶樹の新芽や若葉に寄生し、吸汁により葉が黄変・硬化し、しわ状に変形します。これにより新芽の生育が著しく阻害されて、茶葉の品質が低下します。症状が重篤化すると収量にも大きな影響を与えます。被害は見た目に病気様症状と混同されることがあり、診断が遅れることが多いです。
防除
非常に微小で隠蔽性が高く、薬剤の物理的到達が難しいため、予防的散布と重点的なモニタリングが重要です。ハダニ類やコナジラミとの同時発生例もあり、総合的害虫管理(IPM)が推奨されます。また、被害葉の剪定や新芽管理により発生源の除去を図ることも有効です。
類似種との識別
ハダニ類と異なり、葉裏の糸や赤色の体色は見られず、症状からの鑑別が中心となります。特に“新芽の異常硬化”と“黄変”の組み合わせが識別の指標となります。