トレーサビリティ
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定義・概要
トレーサビリティ(Traceability) とは、食品の原材料から最終製品までの流通・加工経路を追跡・記録できる仕組みを指します。消費者安全の確保、製品リコールの迅速化、国際取引での信頼性担保を目的に導入されます。特に オーガニック茶・フェアトレード茶・レインフォレスト認証茶 などの輸出入では必須条件とされています。
食品安全上の役割
リコール対応
不具合発生時にロットを特定し、回収を迅速化するのに必須です。
法令遵守
食品衛生法や輸入国規制に基づく記録保持に必要です。
認証制度
オーガニック認証・フェアトレード認証では、農園から最終製品までの記録が必須です。
消費者信頼
産地・流通経路を明示することでブランド価値を高めるのに役立っています。
国際規格との関係
- ISO 22005:食品・飼料のトレーサビリティに関する国際規格。
- Codex Alimentarius:食品トレーサビリティに関する一般原則。
- GFSI(BRCGS, IFS, FSSC 22000 等):トレーサビリティの確立を必須要件として規定。
実務・管理のポイント
ロット管理
原料受け入れから製品出荷まで、一貫してロット番号で紐付け。
記録保持
帳票・デジタルシステム・バーコード/RFID 等を利用。
前方・後方追跡
原料の出所(One Step Backward)、製品の行き先(One Step Forward)を記録。
検証演習
定期的に模擬リコールを行い、追跡にかかる時間と精度を検証。
紅茶との関わり
認証紅茶(オーガニック、フェアトレード、レインフォレスト等)では、茶園 → 工場 → 輸出業者 → 輸入業者 → 小売までの追跡が義務付けられる。
スリランカやインドの輸出規制でも、原料・加工記録の提示が輸出許可の条件となる。
日本国内の製造業者も、輸入証明書や生産履歴の保管が求められる。
🫖紅茶文脈での使い方
英文: Traceability ensures that tea products can be traced from plantation to consumer.
和訳: トレーサビリティにより、紅茶製品は茶園から消費者まで追跡可能になります。
英文: Organic and fair trade certifications require strict traceability records.
和訳: オーガニックやフェアトレード認証では厳密なトレーサビリティ記録が求められます。
🐻くまの一言
トレーサビリティの演習で「出荷済みロットを3時間以内に追跡せよ」という課題を経験したことがありました。実際にやってみると帳票の小さな誤記や抜けが積み重なり、想像以上に難しいのです。紙の管理だけでは限界があり、システム化の必要性を痛感しました。演習でこれですから、実務ではかなり大変だと思います。