Cambrian type(カンブリア種)
🗂️ Term: Cambrian type
🏷️ 日本語訳: カンブリア種(かんぶりあしゅ)
📘 定義: アッサム種の中でも、インド北東部に由来する特定の野生起源系統をもとに育成された茶樹の品種群を指す分類用語。
📚 分類: 品種・品系(cultivar-variety)
📖 登場規格: 育種研究・栽培技術指導文献(一般流通品の規格には未登場)
📝 定義(Definition)
カンブリア種とは、インド・アッサム地方の原生林に自生していた茶樹(Camellia sinensis var. assamica)から選抜された品種群のひとつで、特に「Cambrian type」や「Cambrian hybrid」などの表記で、茶の育種・生産に関する研究資料に登場します。
製茶実務において一般的な名称ではありませんが、アッサム種の中でも特定の遺伝的特徴や生育環境への適応性を持つ群体として区別されています。
📚 説明・背景(Explanation / Background)
カンブリア種は、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、イギリス植民地政府や研究機関によって体系的な育種対象となったアッサム種茶樹の中で、特定地域に由来する特徴的な遺伝系統として扱われています。
商業的な品種名(例えばTV1, T78など)に比べてやや学術的・分類学的な用語であり、茶園運営や品種開発に携わる専門家の間で用いられることが多いです。
なお、名称の「Cambrian」は、インド国内の特定地域名に由来するとされるが、確定的な地理的起源には諸説があります。
🧪 関連属性・補足情報(Attributes / Notes)
- アッサム種(Assamica)の一部とされるが、中国種(Sinensis)との交雑種(hybrid)も存在しています。
- 「Cambrian type」という名称は、特定の品種番号ではなく群系(type)を示す言葉です。
- 近年では耐病性や収量性において注目されることがあります。
- 消費者には馴染みが薄く、生産・育種側の専門用語として扱われることがほとんどです。
🫖 紅茶文脈での使い方(英和例文)
- “The estate uses a high-yielding Cambrian hybrid suited for humid lowlands.”
(その茶園では、湿潤な低地向きの高収量カンブリア交雑種を使用している) - “Cambrian-type cultivars contributed significantly to Assam’s CTC revolution.”
(カンブリア種の品種群は、アッサム地方におけるCTC紅茶の革命に大きく貢献した)
🧸 くまの一言
この言葉、紅茶のテイスティングや喫茶文化の文脈ではまず登場しませんが、「どんな血を引いた茶樹なのか」を知る手がかりになる分類語です。
将来、紅茶の品種開発や育種の歴史を掘り下げる際に、この言葉を知っているかどうかで視野が変わるかもしれませんね。
と、とりあえず偉そうに書いてみましたが、くまも実はこの『紅茶のことば辞典』を作り始めるまで存在すら知りませんでした💦