flavour(風味)

🗂️ Term: flavour
🏷️ 日本語訳: 風味(ふうみ)
📘 定義: 香りと味の複合的な印象のこと。
📚 分類: テイスティング用語(tasting-term)
📖 登場規格: 特になし


📝 定義(Definition)

「Flavour(フレーバー)」は、紅茶を口に含んだときに感じる香りと味の総合的な印象を指します。特に、香りの立ち方・余韻・口中での広がりなどを含めて評価されます。

「フレーバー(flavour)」は、ISO 5492:2008 「Sensory analysis – Vocabulary」によれば、味覚・嗅覚・三叉神経による化学感覚などが組み合わさった多次元的官能印象のことです。

ようするに、「フレーバー(flavour)」は、におい、味、そして舌や口の中で感じる微かな刺激――これらが一体となった、感覚の交響曲のようなものです。
ISO 5492:2008 によれば、これは単なる味や香りを超えて、「食べるという体験」そのものを形づくる総合的な印象を意味します。


📚 説明・背景(Explanation / Background)

「Flavour」は、香りだけでなく味の個性も含めた包括的なテイスティング用語であり、紅茶の官能評価で極めて重要な基準のひとつです。
ISO 6078では「香りと味の全体的な印象」として定義されています。

また、ISO 5492:2008(官能評価用語の国際規格)によれば、これは単なる味や香りを超えて、食べるという体験そのものを形づくる総合的な印象を意味します。

なお「Flavor」と綴るのはアメリカ英語であり、イギリス系の紅茶産業では「Flavour」と表記されます。

「Muscatel flavour(マスカテル香)」のように、特定の品種や製法による特徴的な香味を指す語としても使われます。


🧪 関連属性・補足情報(Attributes / Notes)

  • 評価カテゴリ:香味表現
  • 登場規格:ISO 6078(用語定義)ISO 5492:2008 (官能評価用語の国際規格)
  • 英米で綴りが異なる(イギリス:flavour / アメリカ:flavor

🔍 関連用語

-Aroma(アロマ、香気)
-Nose(ノーズ、香り)
-Muscatel(マスカテル)
-Character(特徴)
-Taste(味)
-Infusion(抽出)


🫖 紅茶文脈での使い方(英和例文)

🔸This tea has a strong muscatel flavour.
(この紅茶には強いマスカテル香がある。)

🔸The flavour is well-balanced and delicate.
(フレーバーはよく調和していて繊細だ。)


🧸くまのひとこと🫖

「フレーバー」というと、フレーバーティーのように人工香料を加えたものを想像されがちですが、紅茶の世界での「フレーバー」はもっと繊細で自然な香味のこと。たとえば高品質なダージリンのセカンドフラッシュに感じる“マスカテル香”も「flavour」の一種です。くまは昔、それを「ぶどうの匂い?」と、疑問を持ち続けていて、逆にそれが忘れられない経験になりました。マスカテルフレーバーについては「マスカテルフレーバーの詳細(紅茶の科学)」はこちらをご覧ください。