consignment(委託貨物/委託取引)
🗂️ Term: consignment
🏷️ 日本語訳: 委託貨物(いたくかもつ)/委託取引
📘 定義: 商品の所有権を保持したまま、第三者に販売を委託する貿易取引の一形態。
📚 分類: 貿易(trade)
📖 登場規格: 一般的な国際商取引実務で使用されるが、特定のISO規格には依存しない。
📝 定義(Definition)
「consignment」とは、商品を委託者(consignor)が所有したまま、受託者(consignee)に販売を委ねる取引形態です。
売れた分のみ代金が支払われ、売れ残りは返品されるのが特徴で、在庫リスクは委託者に残ります。
貿易取引では港湾での通関処理、保税倉庫との連携などで重要となります。
📚 説明・背景(Explanation / Background)
紅茶の国際流通において、「consignment」はとくに重要な契約形態です。
たとえば紅茶を積んだ貨物船が輸出港を出た後、受入港で販売者が現地市場に応じて販売し、売上に応じて代金を送金する形式がこれに当たります。
- 所有権は consignor(輸出者)にあり、販売リスクを負わない consignee(輸入者)は在庫を抱えません。
- auction(競り売り)と組み合わせて使われることもあります。
- 高級紅茶や特定ロットにおいて「委託」という形で試験的に市場に出す場合に見られます。
この形式は、流通(distribution)とは異なり、「販売契約と所有権」に関わる実務的・法的なカテゴリに属するものです。
この形態は古代の交易にも類似する仕組みが見られ、中世ヨーロッパのギルド制度や商人の間で用いられてきました。特に産業革命以降の流通の多様化とともに、委託販売は小売業や卸売業で広く普及しました。
紅茶の歴史においても、特に輸出入の段階でこの方式が活用され、海外市場にリスクを抑えながら商品を展開する重要な手段となりました。
🧪 関連属性・補足情報(Attributes / Notes)
- consignor(委託者)と consignee(受託者)の2者構成
- 商品は未販売のまま返品可能
- FOB/CIF/DDPなどの取引条件とは別の契約概念
- 「委託販売(consignment sale)」とも呼ばれる
📖類義語との比較(Comparison with Related Terms)
用語 | 意味 | consignmentとの違い |
---|---|---|
distribution | 商品の流れ・物流経路 | 物流の広義概念であり、委託の有無は問わない |
shipment | 発送・出荷 | consignment にも shipment は含まれるが、契約形態には言及しない |
commission sale | 委託販売 | 国内販売などでは類似、だがconsignmentは国際取引を前提にすることが多い |
FOB / CIF / DDP | 貿易取引条件 | consignment とは別に輸送・リスク移転の条件を定義 |
🫖 紅茶文脈での使い方(英和例文)
- The tea was sent on consignment to the London market.
(その紅茶はロンドン市場に委託貨物として送られた。)- Consignment allows exporters to test a market without losing ownership.
(委託取引は、所有権を保持したまま市場を試すことができる。)
🧸 くまの一言
「consignment」という言葉には、売れ残っても「戻ってくる」安心感があります。特に高級茶や特殊ロットなど、確実な販路がないときには、この方法が信頼とリスクをうまく分けてくれます。
販売でもなく輸送でもなく、「信頼ごと預ける」契約。
その性質は、ある意味では紅茶という文化にも似ているのかもしれないですね。
🔗 リンク(内部・外部)
- [trade(貿易)]
- [auction(競り売り)]
- [FOB]
- [distribution(流通)]
- [commission sale(委託販売)]