Import Liberalization(紅茶輸入自由化)

🗂️ Term: Import Liberalization
🏷️ 日本語訳: 紅茶輸入自由化(こうちゃゆにゅうじゆうか)
📘 定義: 1971年の貿易自由化措置により、紅茶の輸入が民間業者に全面開放された制度的転換点。
📚 分類: 戦後史・制度(postwar-history / regulation)
📖 登場規格: なし(政府通達・経済白書などに記録)


📝 定義(Definition)

紅茶輸入自由化とは、1971年に日本政府が紅茶の輸入を民間業者に全面的に開放した措置であり、それまで農林省などによる「輸入統制」下にあった紅茶市場が、大きく転換された制度的な出来事です。


📚 説明・背景(Explanation / Background)

大東亜戦争敗戦後、日本では食料と同様に「紅茶」も重要な統制物資でした。配給制や統制輸入のもと、紅茶は農林省の監督下で制限されていました。1951年の輸入再開後も、輸入枠は公的機関に限られており、品質や銘柄の自由選択は困難でした。

1971年、日本政府は一連の貿易自由化政策の一環として「紅茶・緑茶・ウーロン茶などの輸入自由化」を実施しました。これにより、民間業者が自由に紅茶を輸入できるようになり、スリランカ・インド・ケニア産など多様な紅茶が日本市場に流入しました。

これが現在の「ティーバッグ文化」や「ブランド茶」の広がりの始点とされています。


🧪 関連属性・補足情報(Attributes / Notes)

  • 当時の背景には、日本の高度経済成長と外貨の安定化がある
  • 自由化以前は「紅茶は贅沢品」というイメージが強く、飲用は限られていた
  • JAS制度と絡めて「無糖紅茶の基準」が整理されていくのもこの頃
  • 国産紅茶の需要は急速に縮小し、輸入紅茶が主流となった
  • 紅茶文化が「自由化=進歩」と結びついた最初の象徴的瞬間

🫖 紅茶文脈での使い方(英和例文)

The liberalization of tea imports in 1971 marked a turning point in Japan’s tea culture.
(1971年の紅茶輸入自由化は、日本の紅茶文化の転換点となった)

Before import liberalization, tea selection was strictly regulated by the government.
(輸入自由化以前は、紅茶の選定は政府に厳しく規制されていた)


🧸 くまの一言

「紅茶なんて、好きなときに買えるものでしょ?」
そんな感覚が当たり前になるまで、長い時間がかかりました。かつて紅茶は、戦時中に配給制だったこともあり、“自由”ではなかったのです。

そもそも、紅茶の輸入の自由が認められなかったことは「敗戦国にはこんな自由すら認められないのだ」という見せしめ的な意味も多分にあったと思います。

「必需品でないものを禁止する」

これが支配する側にとって、非常に効果的な方法の一つだからです。

私はこの時代の制度資料を読むたびに思うのです。
“飲む自由”という、何気ない日常の背後には、多くの変化と制度、そして国際社会での地位の変化があったのだと。


🧩 関連語(Related Terms)