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🔹 概要
ISO 1577:1987は、食品中の酸可溶性灰分(acid-insoluble ash)を測定する国際規格です。
これは、食品を焼成して得た灰分のうち、希塩酸に不溶な残留成分を定量するものであり、主に鉱物性異物(砂、石、土など)の混入をチェックする目的で用いられます。
🔹 技術的内容(概要)
- ISO 1575により総灰分を作成
- 得られた灰分に希塩酸を加えて加熱処理
- 酸に不溶な残渣をろ過・乾燥・秤量して測定
🔹 紅茶との関係
- 製造過程での土壌混入や異物混入のチェックに用いられます。
- 特にCTC製法や大量生産品では、微細な砂粒等の混入検出が品質評価で重要になることがあります。
- 含有量が多すぎる場合、異物混入・不適切な加工工程の疑いとして警告されることもあります。
🔹 関連規格
- ISO 1575: 総灰分測定(前提)
- ISO 1576: 水溶性/非水溶性灰分との組み合わせで成分特性を分析
- 各国農産物規格(例:インドの茶規格)でしばしばこの項目が使用される
🧸くまのひとこと
ふだん何気なく飲んでいる紅茶の中に、わずかに残った「砂」や「土」。目には見えなくても、酸に溶けるかどうかで、それが本物のミネラルか異物かを見分けられるのです。お茶を守るための“見えない戦い”は、こんなところでも静かに続いています。