ISO 22005(食品サプライチェーンにおける追跡可能性の国際規格)

項目内容
正式名称ISO 22005
分野トレーサビリティ
対象食品・飼料サプライチェーン
発行機関ISO
関連規格ISO 22000、ISO 9001

ISO 22005とは

ISO 22005は、食品および飼料サプライチェーンにおけるトレーサビリティ(追跡可能性)を確立するための国際規格です。

正式名称は、

ISO 22005:2007
Traceability in the feed and food chain — General principles and basic requirements for system design and implementation

であり、食品や飼料が「どこで生産され、どのような工程を経て消費者へ届いたのか」を追跡できる仕組みの構築方法を示しています。

ISO 22005は認証規格ではなく、トレーサビリティシステムを設計・運用するためのガイドラインとして利用されます。


ISO 22005の目的

ISO 22005は、食品サプライチェーン全体の透明性を高め、食品安全や品質保証を支援することを目的としています。

主な目的は次のとおりです。

  • 食品事故発生時の迅速な原因究明
  • 対象製品のみを効率的に回収(リコール)する仕組みの構築
  • 食品の品質保証
  • 原産地や製造履歴の証明
  • 消費者や取引先からの信頼向上

食品の安全管理だけでなく、ブランド価値の維持や国際取引における信頼性向上にも重要な役割を果たしています。


適用範囲

ISO 22005は、食品および飼料サプライチェーン全体を対象としています。

例えば、

  • 農場・茶園
  • 原材料生産者
  • 製造工場
  • 包装事業者
  • 保管・物流事業者
  • 輸出入業者
  • 小売業者

など、食品が消費者へ届くまでのあらゆる段階で活用できます。


主な内容

ISO 22005では、組織ごとの目的に応じたトレーサビリティシステムの設計を求めています。

主な内容は次のとおりです。

トレーサビリティ計画の策定

  • システムの目的
  • 対象範囲
  • 記録方法
  • 管理責任

を明確にします。

製品識別

ロット番号や製造番号などを用いて製品を識別し、必要に応じて追跡できるよう管理します。

記録管理

原材料の受入から製造、出荷までの情報を適切に記録・保存します。

情報の追跡

必要な場合には、

  • 原材料の供給元
  • 製造履歴
  • 出荷先

を迅速に確認できる体制を構築します。

システムの検証

定期的にシステムが適切に機能しているかを確認し、必要に応じて改善します。


紅茶業界での活用

紅茶業界では、ISO 22005の考え方は品質保証や産地証明において重要な役割を担っています。

例えば、

  • 茶園で収穫された生葉
  • 製茶工場での加工
  • オークションや取引
  • 輸出
  • ブレンド
  • 包装
  • 販売

までの履歴を管理することで、問題が発生した場合でも対象ロットを迅速に特定できます。

また、

  • ダージリン
  • アッサム
  • ウバ
  • 和紅茶

など産地ブランドの信頼性向上にも役立ちます。

輸出では、COA(分析証明書)や原産地証明書などの書類と組み合わせることで、商品の信頼性をより高めることができます。


関連するISO・規格・法令

ISO規格

  • ISO 22000
  • ISO 9001
  • ISO/IEC 17025

食品安全

  • Codex HACCP
  • FSSC 22000
  • PRP
  • GMP
  • SSOP

認証制度

  • GlobalG.A.P.
  • Rainforest Alliance
  • Organic JAS
  • USDA Organic

法規

  • 食品衛生法
  • 食品表示基準
  • EC Regulation 178/2002

よくある質問(FAQ)

ISO 22005は認証規格ですか?

いいえ。ISO 22005は認証を取得するための規格ではなく、トレーサビリティシステムを構築・運用するためのガイドラインです。

ISO 22000との違いは何ですか?

ISO 22000は食品安全マネジメントシステム全体を対象としています。一方、ISO 22005は食品や飼料の追跡可能性(トレーサビリティ)に特化した規格です。

食品以外でも利用できますか?

ISO 22005は食品および飼料サプライチェーンを対象としていますが、トレーサビリティという考え方自体は他の産業でも広く応用されています。


実務のポイント

トレーサビリティは「すべてを記録すること」が目的ではなく、「必要なときに必要な情報を迅速に追跡・確認できること」が重要です。紅茶業界では、ロット管理やCOA、原産地証明書などと組み合わせることで、品質保証や輸出入実務に役立てられています。


まとめ

ISO 22005は、食品や飼料サプライチェーンにおけるトレーサビリティシステムの設計・運用に関する国際規格です。

食品事故への迅速な対応、品質保証、産地証明、リコール対応などに役立ち、食品安全マネジメントシステムを支える重要な規格として世界中で活用されています。

紅茶業界においても、茶園から消費者までの履歴を適切に管理することで、品質と信頼性の向上に大きく貢献しています。


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