覆い香

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定義

覆い香(おおいか)は、被覆栽培(よしず・寒冷紗などで日射を遮る)によって現れる、玉露・かぶせ茶・抹茶原料に特有の甘い海苔様・磯様の香りのことです。


背景・しくみ

日射を遮ると、旨味成分(テアニンなどアミノ酸)の分解が抑えられ、旨味と独特の香りが保持されます。

遮光期間・遮光率・品種でニュアンスが変化します。玉露ほど覆い香が濃密になりやすいです。


実務ポイント

低温抽出(50–60°C)で甘旨・覆い香が最も綺麗に出ます。高温では渋みが先行して輪郭がぼけやすいです。

海苔様香にも良否があります。新鮮な甘香と、古紙様・湿気臭(保管劣化)の見極めが品質判断の鍵です。


テイスティング

まず低温で甘香と旨味の厚みを確認→2煎目をやや上げて覆い香と火香のバランスを見るとよいです。

抹茶は温度の代わりに湯量・点て方で香の立ち方が変わります。

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