ポリッジ(Porridge)
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概要
オーツ麦(ロールドオーツ/rolled oats/steel-cut(pinhead)/instant など)を牛乳や水で煮た粥状の朝食。塩+バターの素朴な塩味から、はちみつ・果物の甘味まで幅広い。
背景
とくにスコットランド~北イングランドの寒冷地で労働者の主食として定着しています。20世紀後半に「古風」扱いされた時期を経て、近年はβ-グルカン(水溶性食物繊維)や低GIが注目され、中上流階級のヘルシー志向の朝食として再評価されています。
※ 英では porridge、米では oatmeal と呼ぶことが多いです。
作り方など
原料とスタイル
- Rolled oats(ロールドオーツ):薄く延ばして圧延。5–8分で煮える。なめらか。
 - Steel-cut / Pinhead oats:粒をカット。20–30分。噛みごたえあり。
 - Instant:最短。とろり+軽い。
 - Bircher muesli/Overnight oats:一晩浸す冷たい派生(厳密には「煮ない」が近縁)。
 
基本の作り方(比率とコツ)
- 比率:オーツ : 液体 = 1 : 2(~2.5)(steel-cut は 1 : 3)。
 - 液体:水/牛乳/半々。ほんのひとつまみの塩。
 - 火加減:沸いたら弱火で混ぜながらとろみが出るまで。
 - 仕上げ:火を止めて1分蒸らし→バターや少量の生クリームでコク出し。
※ 焦げ付き防止に木べらやspurtle(スパートル:伝統の攪拌棒)が便利。 - 味付け/トッピング
 - 塩味系:塩+バター、黒胡椒、チェダー、目玉焼き。
 - 甘味系:はちみつ/golden syrup、ブラウンシュガー、シナモン、ナッツ&種子、ベリー/バナナ、ヨーグルト。
 - ひと工夫:焼きリンゴやルバーブのコンポート、ピーナッツバター+バナナ、ダークチョコ+ラズベリー。
 - べっとり防止:液体は少しずつ追加、仕上げに混ぜすぎない。
 
栄養メモ
- β-グルカンがLDLコレステロール低下や満腹感に寄与します。
 - たんぱく質は控えめなので、牛乳/ヨーグルト/卵を足すとバランスUPしますが、好みは分かれます。
 - 甘いトッピングは糖分過多になりやすいので量を調整します。
 
紅茶との相性(シーン別)
- 無糖の素朴ポリッジ × 砂糖入りミルクティー(English/Scottish Breakfast, Assam)
…甘みを紅茶側で補って調和。 - 甘いトッピング × ストレート(Ceylon, Darjeeling 2nd, Earl Grey)
…香りで重さを軽く。 - チーズ/卵など塩味強め × 濃いミルクティー(ビルダーズティー)
…コクを受け止めて満足感UP。 
言い換え・表記
- 英:porridge / oatmeal、商品表示でporridge oats。
 - 粒形:rolled / steel-cut (pinhead) / instant。
 - gruel は薄粥のニュアンスで別物。
 
🧸くまの一言
スコットランド人の友人によると、スコットランドの伝統では塩味+spurtle(木製のスコットランドのキッチン ツール)で混ぜるのが「定番の作法」だそうです。余ったポリッジを冷やし固めて焼くパンケーキ風の食べ方もあります。カフェでは「焼きフルーツ+ナッツ+蜂蜜」の映える一皿として提供されることが増えてきているそうです。
ちなみにくまはオートミールが苦手なので苦手です。