TDS
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定義
TDS(Total Dissolved Solids/総溶解固形物)は水に溶けている「固形分の総量」を指す指標です。主にミネラル(Ca²⁺, Mg²⁺, Na⁺, K⁺)、陰イオン(HCO₃⁻, SO₄²⁻, Cl⁻)や微量の有機物などの溶解成分の合計濃度を、通常 mg/L(ppm) で表します。
測り方(実務)
- 現場では TDSメーター=電気伝導率(EC)を測り、換算係数(0.5〜0.7)でTDSに変換して表示します。
例:EC 200 µS/cm × 0.5 ≒ 100 ppm - 温度補正(ATC)付きが一般的です。機種ごとに係数が違う点に注意が必要です。
TDSと紅茶
低すぎ(例:RO水 0–30 ppm)…クリアですが薄く・立ちにくいことがあります。
高すぎ(>150–200 ppm)…渋みやえぐみ、濁りが出やすいです。
目安レンジ:50–120 ppm
- 香気重視(ダージリン春摘み・中国紅茶):50–80 ppm
- ボディ重視(アッサム・セイロンでミルク想定):80–120 ppm
硬度やアルカリ度と同じではありません:TDSは「合計」で硬度はCa/Mg由来、アルカリ度は主にHCO₃⁻由来の緩衝能で各々別物です。紅茶に関して言えば役割が別なのです。
よくある誤解
「TDSが高いほどコクが出る」→ ×。上げ過ぎは香りを覆ってしまいます。
「TDSだけ見ればよい」→ ×。硬度(Ca/Mg)とアルカリ度(HCO₃⁻)のバランスが味を左右します。TDSは「全体量の目安」です。
参考レンジ(目安)
- RO水:0–30 ppm
- 日本の水道水:おおむね 50–200 ppm(地域差大)
- ミネラルウォーター:製品により数十〜数百 ppm