閾値(いきち/閾値(いきち/しきいち)
概要
閾値とは、味覚物質や嗅覚物質について、人が味や香りを感じ取ることができる最小濃度のことです。
閾値と感覚
香味成分は、含有量が多ければ必ず強く感じられるわけではありません。人間が感知しやすい成分かどうかによって、実際の味や香りへの影響は大きく変わります。
そのため、茶の香味を考えるときは、単純な含有量だけでなく、「どの程度の濃度で人が感じ取れるか」という閾値が重要になります。
閾値の実例
緑茶では テアニン(Theanine) が最も多く含まれるアミノ酸であり、長い間うま味の中心成分と考えられてきました。
しかし、テアニンの味覚閾値は約150mg/100mLとされる一方、グルタミン酸(Glutamic acid)の閾値は約3mg/100mLと非常に低く、人はグルタミン酸をテアニンの約50倍敏感に感じ取ることができます。
そのため、たとえテアニンの含有量がグルタミン酸より何倍も多くても、実際のうま味への寄与は必ずしも大きくありません。
つまり、茶の香味を考えるときには、「どれだけ入っているか」だけでなく、「どれだけ感じやすいか」を合わせて考える必要があります。
このように香味化学では閾値が重要になるのです。