聞く紅茶教室
講義時間:約6分
第14講 マラッカ海峡
世界の物流が集まる「細い海の喉」
東南アジアの地図を見ると、
ひときわ細い海があります。
マラッカ海峡です。
ここは、
中国。
東南アジア。
インド洋。
アラビア。
そしてアフリカへ向かう海路が、
ほとんど必ず通る場所でした。
つまりマラッカ海峡は、
巨大な海の流れが、
一本へ絞られる場所。
だったのです。
くまは。
これをいつも。
「海の喉」
のようだと思います。
どれだけ広い海でも、
最終的には、
この細い場所を通らなければならない。
つまりここを押さえることは、
「流れそのものを握る」
ことに近かったのです。
だから後の時代、
ポルトガル。
オランダ。
イギリス。
海洋国家たちは、
みなここを欲しがります。
理由は単純です。
マラッカ海峡を押さえれば、
世界の物流へ、
強い影響を与えられるからです。
くまは。
ここに地政学の面白さがあると思っています。
歴史を動かすのは、
王様だけではありません。
地形。
海。
風。
そして、
「通らざるを得ない場所」
もまた、
世界を動かしているのです。
そして実は。
茶にとっても。
これは重要でした。
茶は。
軽い。
比較的保存がきく。
そして高付加価値。
つまり海運に向いています。
長距離を運びやすい。
大量輸送にも向いている。
だから後に茶は、
「海を通るにふさわしい商品」
として、
どんどん存在感を強めていくことになります。
くまは。
ここで面白いと思うのです。
茶そのものは、
山の中で生まれました。
静かな霧の中で。
けれどその茶が、
巨大な海の物流構造。
へ組み込まれていく。
つまり紅茶の歴史とは。
山の歴史であると同時に。
海の歴史。
でもあるのです。
そしてその海の流れは、
この細い海峡を通りながら、
世界へ広がっていきました。
くまのひとこと
くまは。
「細い場所」
って、
不思議だと思うのです。
広い世界なのに、
なぜか、
流れが集まってしまう。
人も。
物も。
お金も。
歴史も。
だからマラッカ海峡は。
ただの海ではなく。
世界の呼吸が通る場所。
だったのかもしれません。