聞く紅茶教室
講義時間:約3分
第69講 紅茶とデザイン様式(6)
紅茶は「どこで飲まれたか」で意味が変わる
紅茶は、
「どこで飲まれたか」によって、
意味を変えてきた飲み物でした。
宮殿では、
外交のための飲み物。
家庭では、
家族の時間をつなぐ飲み物。
ティールームでは、
女性が安心して一人で入れる空間を作った飲み物。
そして戦場では、
兵士たちが、
「まだ人間でいられる」
と感じるための飲み物でもありました。
紅茶は、
単なる嗜好品ではありませんでした。
人と人の距離を整え、
空間の空気を変え、
記憶を残していく存在だったのです。
だから紅茶は、
「何を飲むか」だけでは語れません。
「どこで飲むか」が、
紅茶の意味そのものを変えてきたのです。
くまのひとりごと
同じ紅茶でも、
飲む場所が違うと、
まるで別の飲み物のようになります。
家庭の紅茶。
ホテルの紅茶。
戦場の紅茶。
そこには、
味だけでは説明できない、
「空間の記憶」があるのだと思います。
紅茶は、
場所と共に記憶される飲み物なのかもしれません。