floral
🗂️ Term: floral
🏷️ 日本語訳(原義): 花のような/花香を思わせる
🔸 ISO 6078文脈による和訳: 花のような
📘 定義: 乾燥葉・抽出香において、ジャスミン・バラ・蘭・キンモクセイなどの花を連想させる香調。
📚 分類: 香り(Odour)/フレーバー記述語
📖 登場規格: ISO 6078(紅茶語彙規格)
contents
- 📝 定義(Definition)
- 📚 説明・背景(Explanation / Background)
- 🧪 関連属性・補足情報(Attributes / Notes)
- 🫖 紅茶文脈での使い方(英語短文)
- 🔗リンク
📝 定義(Definition)
floral は、茶の香り(乾燥葉の鼻香/抽出時の立ち香/口中の戻り香)のうち、花弁様の甘く澄んだトップノートを指す記述語です。しばしば fruity(果香)や sweet と併走しますが、より花らしい繊細さを帯びる香りを指します。
📚 説明・背景(Explanation / Background)
化学的背景
リナロール/リナロールオキシド、ゲラニオール、フェネチルアルコール、メチルジャスモネートなどのモノテルペン系・芳香族アルコールの寄与で現れやすい。
産地・製法傾向
春摘みダージリン(First Flush):青みのあるフローラル〜muscatel へ架橋です。
高山ウーロン(清香系):萎凋と軽度酸化による蘭様の花香です。
緑茶系:軽い花様の清澄感(過度の加熱や陳腐化で消失)。
※着香茶(ジャスミン茶等)の花香は外付けの香りで、floral(自然香)とは区別して表記すると親切です。
用語の混同注意
flowery は等級語(FOP など)として「芽(tip)が多い外観」を指すことがあり、香り語の floral とは別物です。
テイスティングでの flowery は floral (ISO 6978では定義されていない)に近義で使われる場合もあるため、文脈で判別する必要があります。
🧪 関連属性・補足情報(Attributes / Notes)
トップノート:抽出直後・熱い状態で最も顕在します。カップを蓋碗/蓋付きで保持すると拾いやすいです。
水・抽出条件:新鮮な湯と適正温度(過抽出を避ける)がフローラルの明瞭さを支えます。
保存性:酸素・光・湿気で揮発性成分は失われやすいです。密封・低温・遮光が有効で、特に遮光が大事です。
共起語:floral and sweet / jasmine-like / rosy note / orchid-like。
関連語:fruity(果香)、muscatel(ダージリン特有のマスカテルワイン様香)、aromatic、perfumy(強く香水様のとき)。
🫖 紅茶文脈での使い方(英語短文)
英文: The dry leaf is distinctly floral, with jasmine-like top notes.
和訳: 乾燥葉にはっきりした花香があり、ジャスミン様のトップノートが出ています。
英文: A gentle floral aroma develops during the first infusion.
和訳: 一煎目で穏やかな花香が立ち上がります。
英文: Overfiring has muted the floral character, turning it dull.
和訳: 火入れ過多で花香が弱まり、鈍くなっています。
英文: This high-mountain oolong shows an orchid-like, clean floral note.
和訳: この高山ウーロンは蘭様でクリーンな花香を示します。
英文: Note that 'flowery' in FOP is a leaf-grade term, not necessarily floral aroma.
和訳: FOP の“flowery”は葉等級語で、花香(floral)とは限りません。
🔗リンク
ISO 6078(紅茶および関連用語の定義)
ISO 6078:1982「紅茶用語集」日本語ガイド:『紅茶資料室』森のくま要約。
ISO 6078:1982 – Black tea — Vocabulary:ISO公式サイト。