Odour (nose)
🗂️ Term: Odour (nose)
🏷️ 日本語訳(原義): におい
🔸 ISO 6078文脈による参考訳:香気(ノーズ)
📘 定義: 鼻で知覚される茶の香り全般(快・不快を含む)
📚 分類: 茶用語(Odour / Nose)
📖 登場規格: ISO 6078
contents
📝 定義(Definition)
抽出前後を問わず、鼻で知覚される揮発性成分の総体です。快い香り(aroma)・不快なにおい(off-odour)を含む上位概念として扱う。オルソネーザル(orthonasal)で感じるにおいのことです。
📚 説明・背景(Explanation / Background)
ISO 6078の項目として
ISO 6078の語彙のグループ名として使われている語です。ISO 6078では “odour (nose)” として、ワインの “nose” に対応する感覚語を採用しています。紅茶の評価では、ドライリーフ、インフュージョン(出がらし)、リカー(抽出液)の各段階で 香気の質・強さ・清潔さ を観察します。実務では快い香りを “aroma”、包括的には “odour/nose” として記述するのが自然です。
香気の完璧な定義
一方で、神経生物学のゴードン・M・シェファード博士による嗅覚研究では、この「香気」をさらに 二種類の経路に分けて体系化しています。
- orthonasal(オルソネーザル): 鼻から吸気するときに感じる香り(例:カップに鼻を近づけて嗅ぐドライリーフやリカーの香り)。
- retronasal(レトロネーザル): 飲み込みの際、口腔から鼻腔に抜ける香り(例:一口含んだときに鼻に抜けるアロマ)。
この区別により、「香気」という包括的な概念を、科学的かつ実感的に整理できるようになりました。ISO の “odour (nose)” とシェファード博士の分類を組み合わせることで、紅茶の香り表現はより多面的に捉えられるのです。
🫖 紅茶文脈での使い方
英文: The nose is clean and floral, with a light muscatel odour.
和訳: ノーズはクリーンでフローラル、軽いマスカテルの香気がある。
英文: Dry leaf odour suggests good storage; no stale notes.
和訳: ドライリーフの香気は保管良好を示し、古臭さがない。
英文: A faint off-odour appears in the infusion, likely from poor drying.
和訳: インフュージョンに微かな異臭があり、乾燥不良の可能性がある。
🔗リンク
ISO 6078(紅茶および関連用語の定義)
ISO 6078:1982「紅茶用語集」日本語ガイド:『紅茶資料室』森のくま要約。
香り:オルソネーザルを図で分かりやすく解説しています。
風味:レトロネーザルを図で分かりやすく解説しています。
ゴードン・M・シェファード:シェファード博士の紹介です(本人による写真あり)。
ISO 6078:1982 – Black tea — Vocabulary:ISO公式サイト。