聞く紅茶教室

講義時間:約8分

第4講 唐と『茶経』 

茶が「文化」になった日

やがて時代は、
唐へ入ります。

この頃になると、
茶はただの薬ではなく、

人の時間を整える飲みもの

として、
少しずつ姿を変えていきます。

旅の僧たちは、
道ばたで湯をわかし、

茶を飲み、

また静かに歩き出しました。

長い読経。

座禅。

夜明け前の冷たい空気。

茶は、

意識を明るく保ちながら、

心を騒がせない飲みもの

として、
歓迎されていったのです。

そして唐の時代。

一冊の本が生まれます。

『茶経』

です。

書いたのは、

陸羽。

「茶聖」

とも呼ばれる人物です。

『茶経』は、

世界で初めて、

茶を体系的にまとめた本

とされています。

茶の歴史。

産地。

道具。

水。

淹れ方。

そして、

どのように茶と向き合うか。

それまで、
人々の感覚の中に散らばっていたものを、

陸羽は、

ひとつの文化

として整理していきました。

くまは『茶経』を読むと、

「茶を大切に扱いたい」

という静かな意思を感じます。

どの水を使うか。

どの器を使うか。

どのように湯を扱うか。

そこには、

自然の恵みを、
人の手で丁寧に受け取ろうとする姿勢

があります。

ちなみに、
唐の時代の茶は、

まだ現在のような茶葉ではありません。

団茶を砕き、

湯で煮出し、

地域によっては、
塩や薬味を入れることもありました。

けれどこの時代に、

「茶を味わう」

という感覚が、
はっきり育ち始めます。

茶は、

喉の渇きを癒やすだけではなく、

人の時間や心を整えるもの

へ変わっていったのです。

そしてTea Worldでは、

この瞬間を、

「茶が文化になった日」

として、とても大切に考えています。


くまのひとこと

くまは、
『茶経』を読むたびに、

「丁寧に生きよう」

という空気を感じます。

茶そのものより、

茶と向き合う時間

を大切にしようとする姿勢。

それが、
今まで長く茶文化が残ってきた理由なのかもしれません。

ちなみに陸羽は
ヨーロッパではLuk Yu
もしくは
Lu Yu
と呼ばれています。

そして尊敬をこめて
紅茶のオリジナルブレンドの名前にしたりもされています。