聞く紅茶教室

講義時間:約6分

第5講 宋代の点茶と、美の時代

唐の時代に、
茶は「文化」として整理され始めました。

そして次の宋代になると、

茶はさらに、

「美」

へ近づいていきます。

この頃広まったのが、

点茶

です。

茶を細かな粉に挽き、

茶碗へ入れ、

湯を注ぎながら泡立てる。

現在の抹茶へつながる飲み方です。

宋の人々は、

「どれだけ美しく点てられるか」

を、とても大切にしました。

白い茶碗。

そこへ立ち上がる、

細かく静かな泡。

湯の音。

茶筅の動き。

ほんの少し揺れる光。

茶は、
ただ飲むものではなく、

「美しい時間」

そのものになっていったのです。

くまは、
宋代の茶の風景を想像すると、

静かな部屋の空気を思い浮かべます。

窓から入る、
やわらかな光。

白い泡の表面で、
小さく揺れる影。

そして、

茶碗を持つ人たちの、
静かな呼吸。

宋の時代の人々は、

味だけではなく、

所作

まで含めて、

茶を楽しんでいました。

だからこの時代の茶には、

「美意識」

が強く宿っています。

そして実は、

この点茶文化は、
のちに海を渡ります。

日本へ伝わり、

室町時代や戦国時代の、

茶の湯

へつながっていくのです。

つまり宋代は、

茶が、

「美しく時間を使う文化」

へ変わっていった時代でもありました。

Tea Worldでは、

ここを非常に大切な転換点だと考えています。

茶は、
身体を整えるだけではなく、

空間や時間そのものを整えるもの

へ変わり始めたからです。


くまのひとこと

くまは、
宋代の茶文化には、

「静かな贅沢」

があった気がしています。

大きな音を立てない。

急がない。

派手でもない。

けれど、
ひとつひとつを丁寧に扱う。

茶には、
そういう豊かさが、
昔から流れているのかもしれません。